2011年5月末に重要な経済指標のいくつかが発表されました。この中で注目すべきは同年4月の「鉱工業生産指数」がプラスに転じていることです。これは日本経済の底力を現したもので、予想以上に日本経済の回復が早いのではないか?と言う期待を持たせてくれるものです。
しかし、反面同時期に発表された5月の景況判断をみると、殆どの地域で下方修正されています。現状としては国内総生産が先んじて回復しつつあるものの、雇用や消費については依然厳しい状況が続いているということをあらわしています。震災後の自粛ムードは落ち着きを見せたものの依然として個人消費は低迷を続けているようです。
このように、今の日本経済の低迷の大きな原因の一つは3月11日に起こった東日本大震災であることは間違いないでしょう。しかし、天災による一時的な経済の落ち込みは復興によって大きく回復することは過去の事例でも明らかです。復興事業は新たな雇用を生み出すので今後日本経済の下支えになるのは一刻も早い震災復興事業への支援だと言えると思います。
また、復興事業は国際協力が得やすいという利点もあります。福島原子力発電事故は新しいエネルギー事業への転換促進も期待できるので、政府は復興支援事業への補助などを積極的に行うことで本来なら日本経済復興への足がかりとできるはずなのですが、その足を引っ張っているのは政治の不安定感でしょう。被災後すぐの総理大臣辞任など、この国のリーダーシップは非常に脆弱です。
自民党から民主党へと政権が移っても政治の安定は一向に図られることはありませんでした。為替介入まで視野にいれた円高脱却を試みるなら、政府日銀による単独介入よりも諸外国による協調介入の方が効果が高いのは過去の事例でも明らかなのですが、国の首相がころころと変わってしまう今の政治状況では海外の投機筋からは冷めた目で見られているのも事実でしょう。
今後日本経済が復興する足がかりに日本を襲った未曾有の大震災からの一日も早い復興が鍵を握っていることは間違いないので、この機を政府が上手く舵取りできるかどうかにかかっているのです。
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