2011年10月11日の東京外国為替市場の終値は1ドル=77円72銭で取引されています。2011年になってついに1ドル=80円を超える円高時代を迎えたわけですが、2010年東芝の佐々木則夫社長は1ドル=70円高を想定したストレステストを10月に実施し、その結果を基に自社の売り上げ、生産、調達の海外比率を引き上げるとの事業構造転換に取り組んでいることを明らかにしています。
佐々木社長によると東芝は昨年の10月から円高傾向の長期化を想定した「プロジェクト70」と名づけられた対策に取り掛かりました。プロジェクト開始当初は1ドル70円台になるとは考えられないと言われていましたが、ドルの弱さと円の強さの両方を見ているとそうなる確率は高いと予想、ストレステストを実施して、1ドル=70円台時代への対策を講じるに至ったと同社長は語っています。
佐々木社長の予想通り、1ドル=70円台時代へと突入した訳で、これにより東芝はプロジェクトにしたがって生産拠点の海外比率を高める事業転換を行っています。またパナソニックも2011年に入ってこれ以上の円高が続くと国内に生産拠点を置くことは困難であるとのコメントを発表しています。
これは日本国内から工業製品生産工場が無くなる=産業の空洞化を促進させるということを意味しています。産業の空洞化は失業率の上昇を招いてしまうなど、このままでは日本経済にとって悪影響の方が懸念されるため、国内の産業関係者からは政府日銀による為替介入を希望する声が高まっています。
それを受けて安住財務相は内外の投資家に対してかつての日銀砲を上回る総額46兆円規模の介入資金の調達の目途が立っているとコメントしていますが、今のところアナウンス効果を期待した牽制という見方が強いようですが、2011年10月の円相場は今のところ77円前後で安定傾向にあります。
しかし、ギリシア問題にゆれるユーロへの不安やアメリカ国債の格下げによるドル不安、中国経済の失速感への懸念など円高を誘引する材料も依然として存在するため、今後政府日銀指導による協調介入が行われるのかどうかが注目されています。
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