攻防戦 為替 介入の効果

為替 介入の効果

日銀砲

攻防戦

2003年の8月に勃発したイラク紛争の影響で、市場での円相場は上昇を続け、年が明けて2004年の1月には1ドル=105円台が目前まで迫ってきていました。

これ以上の円高は日本経済にとっては死活問題となりかねな状況でした。こうした状況を背景に1月9日の朝、財務省大臣室では、あるミーティングが行われていました。当時の財務大臣谷垣禎一氏(現自民党代表)は国際局の幹部と共に、財務官溝口善兵衛氏が立案した介入方針についての説明を受けています。この時溝口氏の口からは「投機筋の円買い圧力が強い、今日の介入は1兆円を超える見込みです」と言う言葉が発せられていました。

これまでの為替介入はトータルで2兆円規模が平均的な金額と言われていました。それが1日で1兆円規模の介入。これは常軌を逸した資金投入といわざるを得ません。しかし谷垣財務相に迷いはありませんでした。介入のゴーサインを受けた日銀のディーリングルームからは切れ目無く10億円単位での円売り注文が出されます。

当時の大手銀行の担当者はこの様子を見て「財務省は一体いくらドルを買ったら気が済むんだ?このままでは介入資金が底を付くぞ」と危惧していたと言います。その予想通り財務省はすぐに介入枠の資金を使い切りましたが。保有するアメリカ国債を日銀に売却することで更に5兆円の介入資金を調達し、午後2時頃には1度に5000億円規模の売り注文を敢行。

この日の介入額の総額は、ドル買いとしては史上最高の1兆6664億円に達しました。結局この日の日本政府による介入に対抗できる投機筋はありませんでした。

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