2003年末から2004年3月にかけて行われた32兆円規模の円買い介入、通称日銀砲。当時の財務省幹部は「円安誘導ではなく、投機筋の動きを粉砕するために我々は介入を行った」と証言しています。
歴史に残る世紀の介入劇はまさにヘッジファンドを破壊するための武器だったというわけですね。勝負の発端は、前年の2003年8月まで遡ります。湾岸戦争以降も一向に静まる気配の無い中東紛争に対し、国連は武装解除を求めます。
イラクではこの時、8月7日にバグダッドのヨルダン大使館前で爆弾テロが発生、60人以上が負傷、19人の死亡が確認されました。また19日には同じくバクダッドの国連本部事務所前で自動車爆破テロが発生し、当時の国連事務総長イラク特別代表のセルジオ・デメロ氏を含めた20人以上が死亡、100人以上が負傷するというように立て続けに爆破テロが行われていました。
これに対し、アメリカのブッシュ大統領はアメリカをはじめとしてイギリス、オーストラリア、ポーランドの有志による連合軍を組織してイラクに侵攻します。イラク戦争の勃発です。これを受け投機筋はイラク情勢の悪化を材料として世界の投資家から巨額の資金を集めていました。
この時の投機筋の予想は「日本政府が介入を実行したとしても1ドル=100円を超す円高になるはずだ」というものでした。更に追い討ちを掛けるように2003年9月、ドバイで行われたG7(先進7か国財務相・中央銀行総裁会議)では「為替相場には柔軟性が望ましい」と日本政府による為替介入をけん制する声明が採択されています。
これが投機筋の円買いに拍車を掛けることになります。この時景気が回復しつつあった日本経済はヘッジファンドによって腰折れさせられかねない状況でした。
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