サブプライムローン問題に端を発した先進国の経済成長の低迷と中国やインドなど新興勢力の台頭に加え、ギリシアの経済破綻が招いたEUの不安。今まさに世界は混沌とした時代を迎えています。ムーディーズではアメリカに続き2011年10月にイタリアの国債評価を3段階も格下げしました。
10月7日の経済紙ブルームバーグによれば日本からブラジルまで国際貿易での優位確保を狙っていて通貨切り下げ競争はまだ始まったばかりであると報じています。日本の通貨当局は2011年9月に円高阻止に向けて6年半ぶりの為替介入を実行しました。また中国は人民元のスピーディな上昇を求める外圧に対して抵抗を示しています。
一方、アメリカ・イギリスの中央銀行による資産買取の再開観察がアメリカドルとイギリスポンドの下落に拍車を掛けると予想、スイスではUBSによる介入(通称:メガトレンド)が今後10年間、一日の取引高が4兆ドル規模の市場混乱を招くと見られています。
日本がもくろむ通貨安は輸出を促進し、景気の底上げに貢献するものの、通貨切り下げや保護主義的な報復手段にエスカレートする可能性もあり、世界経済の成長の妨げになりかねないとの危惧もあります。ブラジルのマンテガ財務相は2011年9月27日に世界的な通貨戦争が既に始まっているとコメントしています。
10月8日にワシントンで開かれる7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で当局関係者らは1980年代のような為替合意(プラザ合意)のような回帰を5日の時点で示唆してはいないものの、主要7カ国では2000年以降協調介入を行っていないため、中国やインドなどの新興国に対抗しうる市場への影響力が弱まったと懸念されています。
このことからG7の議長国を努めるカナダのフレアティ財務相は6日に「為替介入を巡る懸念が存在する」と発言し、この問題が討議されるのは確実と見られています。このように世界の為替市場では各国の思惑が交錯し、各国の通貨当局はさながら戦場の前線基地の様になっています。
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